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2006.08.25

川端裕人『動物園にできること』

動物が好き、生き物が好き、ということは簡単に口に出来ます。
でも、大人になった今、「動物園が好き」と、なんのためらいもなく言うことが出来るでしょうか?

話題になった”新解さん”、『新明解国語辞典 第4版(3刷)』(三省堂)で”動物園”をひくと、

【動物園】
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえてきた多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。

という説明がされています。
まさにここにある説明こそが、ぼくたちに”複雑な感情”を抱かせるものでしょう。

この『動物園にできること』では、動物園とは何なのか?
動物園の役割、目的、目的達成のためのアプローチにはどんなものがあるのか?という問いを、著者が訪れた動物園先進国アメリカの多様な試みを通じて解き明かそうとしています。
Zoo(動物園)とMenagerie(見せ物小屋)の違いとは?
檻や鉄柵に代わり、主流となったランドスケープ・イマージョンと呼ばれる展示手法、その是非。
動物園が果たすべきは、地域住民への環境教育なのか、それとも絶滅に瀕した種の保存なのか?
取り上げられるテーマはどれも目新しいものばかりで、(少なくともぼくにとっては)
目からウロコが落ちる思い、とはまさにこのことです。

子供の頃は大好きだった場所、でも大人になってからは複雑な感情なしには考えることの出来なくなってしまった動物園を考えるために、動物園が好きだった人、好きな人、すべての人に読んで欲しい1冊。

旭山動物園の成功をきっかけに他の動物園でも色々新しい工夫が始まってるみたいです。
動物園に何を求めるのか、利用者として考えるにはちょうどいい機会かもしれません。

オンライン書店ビーケーワン:動物園にできること

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