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2006.11.10

キース・ピータースン 『暗闇の終わり』

キース・ピータースン、アンドリュー・クラヴァン、マーガレット・トレイシーと3つの筆名を持つ兄弟作家。
事件記者ジョン・ウェルズシリーズの第1作。

「語り口の上手い作家は数多くいるが、上手くて酔わせるという意味では、現代の作家ではディック・フランシスやブロック以外数人」
『幻の終わり』(創元推理文庫)解説:池上冬樹

という言葉を信じて読んでみましょう。
とにかく上手い!
彼の作品を読むと、主人公に同化せずにはいられません。
で、同化すると、酒量が増えてとんでもないことになる…(笑)

ただ、主人公の設定など、取り立てて目新しいことはありません。
「トマス・H・クックやジェイムズ・リー・バークに比べて、キース・ピータースンが群をぬいているわけではない」
産経新聞『夏の稲妻』書評:北上次郎

娘に自殺されたという暗い過去を持ち、
ヘビースモーカーで酒呑みで、
いまだにタイプライターを愛用する昔気質の頑固者で、
自らの規律を持ち、信念のためにはそれを押し通す、
おまけに皮肉屋で正義漢…
言っちゃあ何だが、このタイプはハードボイルドの世界には掃いて捨てるほどいる。
『裁きの街』解説:茶木則雄

で、十二分なテクニックに支えられた傑作である他に何があるかというと、「主人公を脇役と入れ替える」という前代未聞の荒技をこなしています。(←ウソです)
ああ、ランシング、ランシング…。
この一連のシリーズを手にした男性諸君は我らがランシングの魅力にイチコロのはず!
茶木則雄えらい!よくぞ言った!
そう、この作品ははランシング・シリーズと銘打つのが正しいのです!
誰がなんと言おうとも!!

要するに、類い希なるハードボイルドの傑作であると共に、人類の歴史上もっとも魅力的なヒロインが登場する物語である、ということです(笑)

オンライン書店ビーケーワン:暗闇の終わり

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