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2006.11.10

スティーヴン・ハンター 『狩りのとき』

うひひ…面白かったです、すっごく!
『極大射程』、『ダーティホワイトボーイズ』、『ブラックライト』と続くボブ・リー・スワガー四部作のトリなのですが、これを読むとどうして『極大射程』の評価があんなに高いのか、?な気持ちになります。
それまでの三作品ではよくあるヒーロー像、それも思いっきりステレオタイプなそれ、というイメージしかなかったボブ・リーが『狩りのとき』では極めて人間らしい人間として描かれています。
そして、ボブ・リー以上に魅力的に描かれたのがそれまでは単なる便宜上のキャラクター、脇の中の脇、ただの固有名詞でしかなかったダニー・フェン伍長(兵長)。

前三作に比べて格段に上手くなった!という感じがします。
恐ろしく緻密に書き込まれたディテールが他のキズを補ってあまりある、というのが『極大射程』以降の評価だったと思うのですが、この『狩りのとき』にはなんの留保もいりません。
こうして振り返ってみるとこの四部作、はじめから構想にあったわけではなく『極大射程』のヒットにつられて四部作を名乗ってみました、というのがホントなのではないでしょうか?
作品ごとに書き方を変えた、と強弁するには通して読んだときにバラバラな感じがあまりにも強すぎます。
もちろん、個別に読む分にはどの作品も水準以上の満足を与えてくれるのですが、これが関連したひとつながりの作品、と言われてもちょっと…。

色々書きましたが、前作を読んだ人もそうでない人もきっと満足する傑作冒険小説であることは間違いありません。
何はともあれ、ぜひご一読を…。

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書評サイト Loud Minority: スティーヴン・ハンター 『極大射程』

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